京都議定書の例を引き合いに出すまでもなく、環境問題・環境対策というのは喫緊の課題として受け止められ始めています。環境規制が強まるにつれ、親会社や取引先の大企業から、ある日突然「CO2の排出量が一定基準値を上回る企業とは、今後一切の取引ができない」という通告がなされることも多くなるでしょう。こういった事態に対応するには、日頃から環境対策に臨んでいる必要があります。環境対策に真摯に取り組むことは、今後の中小企業の中心的な経営課題となるでしょう。
自社の事業ドメインやリソースを洗い出してみると、意外と自社の製品やサービスを提供する上での根幹部分が「環境」に依存していることに気づきます。たとえば、メーカーであれば、生成物を浄化したり冷却したりするために必要な「水」が環境資源です。あるいは、建物を支えるのは「土壌」ですし、機械を動かす電力は「石油」を用いた火力発電で賄われています。しかし、もしきれいな「水」が仕入れられなくなったら? あるいは土壌が汚染されたり地盤が沈下してしまったら? 「石油」が枯渇し、電力エネルギーの単価が上昇したら?
これは、そう遠くの未来というわけでもないのです。実際、近い将来「水」資源が不足することが予測されており、各国で「ブルーレボリューション」という水資源の争奪戦が始まっています。電力をはじめとするエネルギーについても、燃料電池・バイオエタノール・太陽光・風力などいくつもの代替エネルギーの模索が進められています。環境リスクを経営リスクとして捉えなおし、危機をチャンスへと変えることが求められています。
今まで述べたようなことは、本やウェブ上でも幾度となく述べられていることです。したがって、競合他社がその情報を真摯に捉え、またこの機会を危機としてではなく、チャンスとして活かし始めていたとしても何ら不思議ではありません。しかし、環境対策や環境リスクマネジメントはそのエッセンスを理解していさえいれば、あとは取り組み者の工夫次第でいかようにも展開できるものですから、広範な情報収集と適切な目標設定を行っていきましょう。